硝子体手術

硝子体手術とは

硝子体は、眼球の中心部に位置し、ヒアルロン酸等で構成されたゲル状の物質で満たされています。その役割は眼球形状の保持(眼球を球体とした形状の保持)や瞳から入ってきた光線を透光、屈折し鮮明な映像を網膜に投影、結像させる役目があります。硝子体の後面にはフィルムに相当する網膜が存在し、その代謝の一部をにないます。網膜の病気の際、密接な関係が生じるため、後に述べる硝子体手術の必要性が高まります。

 この硝子体を除去する手術を「硝子体手術」と呼びます。白内障手術に似ていますが、少し後方の毛様体扁平部に細い針を刺入し、そこから硝子体を切除吸引する装置を挿入し手術を行います。この手術装置は近年、長足の進歩がなされ手術に用いる装置の外径が30年前は 1.26mmと太かったものが現在0.41mmと細くて低侵襲な手術装置となったため、手術を無縫合で終了させる事が可能となりました。これにより手術時間や回復に要する日数が飛躍的に短縮し、現在、病気の種類によっては日帰り手術も可能となり、患者さんの負担軽減に大いに役に立っております。

適応疾患

糖尿病網膜症

硝子体混濁

網膜静脈閉塞症

黄斑円孔

網膜剥離

硝子体出血

網膜前膜

加齢黄斑変性症

黄斑浮腫

硝子体出血と硝子体混濁

「硝子体出血」や「硝子体混濁」はこの部位が濁る事で光の透光ができなくなり視力が下がる病気です。薬の治療では長年月の時間がかかる事が多く、また治らない場合もあります。出血の原因としては糖尿病性増殖性網膜症、高血圧、動脈硬化症や高脂血症に伴う網膜静脈閉塞症、また最近増加傾向にある加齢黄斑変性症等、高齢者における生活習慣病によるものが多いです。これらに対して、硝子体手術で出血を取り除き、光の透光が回復し、視力が回復する上に、硝子体手術中にこれ等の原因となった眼底病変に対して眼内レーザー凝固と呼ばれる方法で治療が可能となりました。

網膜剥離

網膜剥離とは、加齢や近視の影響で網膜の周辺部に裂孔と呼ばれる孔が発生し、そこから液化した硝子体が網膜下に侵入し、網膜剥離が進行します。放置すれば失明する予後不良の病気ですし、薬やレーザー治療では治らない病気ですので早急に手術で治す必要があります。この病気に対して、従来、眼球の外側より手術する強膜内陥術が行われていました。その方法では手術時間や術後の安静加療が長時間を要しました。近年はこの疾患に対して硝子体手術を行い、眼球内部である硝子体側から治す方法が一般的になりました。この方法の方が手術時間や術後療法の短縮化により患者さんの苦痛の軽減や治癒率の向上が可能となりました。増殖性網膜硝子体症は網膜剥離が進行し、高率に失明に至る予後不良な疾患でした。この難治性疾患に対しても硝子体手術を行って失明を予防する事が可能となりました。

黄斑円孔と黄斑前膜

網膜の中心部で視力に最も重要な部位を黄斑部と呼びます。この部に好発する黄斑円孔や黄斑前膜も以前は予後不良の疾患でした。これ等に対して黄斑部の網膜表層に異常に増殖した膜状組織を切除し、さらに黄斑部の網膜表層の内境界膜と呼ばれる組織を硝子体切除術で除去する事が可能になりました。これにより現在では多くの患者さんがこれ等難病から回復される事が可能となりました。

黄斑浮腫と網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症

網膜の中心部である黄斑部に異常な水が溜まる病態を黄斑浮腫と呼びます。この病気の原因として、網膜静脈閉塞症、糖尿病性網膜症、ブドウ膜炎等があります。これ等に対して第一に薬物療法(内服や球後注射)やレーザー療法が行われます。それでも回復しない場合は、血管内皮増殖因子が原因として考えられていますので、この因子に対する抗体を硝子体内へ注射する方法が行われます。それ等を行っても回復しない難治性の黄斑浮腫に対して、硝子体手術を行い原因となっている内境界膜を剥離し、硝子体牽引を除去すると回復する事が可能となりました。

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